決断力 / 羽生善治
“決断力”を読みました。
著者は気にせず手に取った一冊でした。タイトルだけで購入に至ったわけですが、著者は羽生善治さんです。
羽生さんといえば、将棋棋士ですね。彼は中学生でプロになったほどの人物で、よくタイトル戦で取り上げられます。私の祖父も将棋が好きなので、よく名前を聞いていました。
簡単に彼を紹介します。
1970年、埼玉県生まれ。棋士。小学6年生で二上達也9段に師事し、プロ棋士養成機関の奨励会に入会。奨励会の6級から3段までを3年間でスピード通過。
中学3年生で4段。中学生のプロ棋士は加藤一二三、谷川浩司以来。89年、19歳で初タイトルの竜王位を獲得する。その後、破竹勢いでタイトル戦を勝ち抜き、94年、9段に昇段する。
96年、王将位を獲得し、名人、竜王、棋聖、王位、王座、棋王と合わせて「7大タイトル」すべてを独占。「将棋界始まって以来の七冠達成」として、日本中の話題となる。タイトル戦登場75回、タイトル獲得合計60期。
現在最強の棋士である。棋風はオールラウンドで幅広い戦法を使いこなし、終盤に繰り出す妙手は「羽生マジック」と呼ばれ多くのファンを魅了している。
-引用元: 羽生善治 (2005). 決断力 株式会社角川書店
プロ棋士はどんなふうに打っているのだろうか。
考えたことはありませんか?
実は、十数手先も考えてはいないらしいです。もちろん個人差はありますが、実際は直感を頼りにしています。
“直感”は、あてずっぽうなのではなくて、超論理的な思考回路が働いているのではないかと聞いたことがあります。いわゆる経験則であり、それを超高速でしているということです。
羽生さんは、長考すれば百何手先も考えられるが、7割は即決したほうが良い結果になると書いています。迷いやネガティブな考えが、純粋な思考を複雑にしかねないのです。
そのため、純粋でシンプルかつ経験則に基づいているだろう直感を頼りにしているそうです。しかしそこで気を付けなければいけないことは、それにより失敗も当然起こりうるということです。
プロといえど、詰めの一手で間違えてしまうこともあるそうです。そのようなことはいくらでもあると思うのですが、そのときに落ち込みすぎないことが重要です。
その当然の一手からはずれたケースであっても、新しい局面が学べるという姿勢、失敗をただの失敗で終わらせないことが大切です。その心がけを忘れてしまえば悪循環が起きてしまいます。
現在はネットでも将棋やチェスができます。つまりプロとアマチュアの対戦が可能なのです。そのため、プロが打つような常識の一手がなかったりするそうです。
その手が最新の将棋では有効であったりなかったりもするそうで、前例やデータだけを学んでいたのでは勝てないそうです。
つまり昔の棋士は今の棋士に勝てないということです。そして過去のデータだけでは新しいひらめきができないために、最新の打ち方をされたときに対応できません。
新しい発見は、直感の先にあり、情報の取捨選択は適切に行わなければならないようですね。
結論
ビビッてないで、“あっ”と思ったらやってみろってことですかね。あとは、直感っていうのは大体は合理的な選択をしているのであり、長考はネガティブ情報の付加と考えておけば少しは動きやすくなるんじゃないでしょうか。
もちろん慎重さも当然大事になるので、それも忘れないようにしたいですね。過去の経験に学ぶことも大事ですが、それにより挑戦ができないのでは意味がないですね。失敗したからこそ、次はできる、という考え方を大切にしたいですね。
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