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2011年11月11日金曜日

『資本論』の前に #4

こんにちは、今日は宣言通り次の2点について書いていこうと思います。
  • 貨幣から紙幣へ
  • 金本位制

前回のエントリーで、貨幣の発生には触れました。
金も、もともとは商品だったんですね。それが、歴史が進むにつれて、貨幣になったんです。金はもとから貨幣ではなかったんですが、貨幣はもとから金だったというわけです。歴史の中で貨幣という地位を金や銀が獲得していきました。



  • 貨幣から紙幣へ
貨幣は使用しているうちに摩滅し、名目上の量ではなくなる。実質的な価値と名目上の価値が分離する。だから紙幣で代用できる。紙幣は『記号』になる。
紙幣は金の記号または貨幣の記号である。【中略】紙幣は、ほかのすべての商品量と同様に価値量である金量を代表する限りでのみ、価値の記号である。
貨幣は商品価格の一時的に客観化された反射であるから【中略】週周の記号によって代替されることもできる。



いくら金や銀が頑丈だからといって、全く減らないってことはない。汚れたり削れたりしていきます。そもそも当時は金の『量』で交換をしていたんです。重さが単位になっているのです。ですが、少しずつ擦り減っていくことで、1kgあった金が0.9kgになっているかもしれません。しかし、貨幣となっている金としては、1kgの価値としてそこに存在するわけです。



するとどうでしょう、実際の量は0.9kgなのに、名目上では1kgの価値があり、0.1kgの差が生じてきます。となれば、実際の金の重さなんて関係なく、貨幣を発行しますよね。ずれてしまっているものはしょうがない。それがどんどんすすみ、貨幣の重さは軽くなるが、価値はそのままということで、お金の金額というのが『記号化』していったわけです。



さらに、常に持ち歩くには重い金。もっと便利にと、紙がでてきます。兌換紙幣というもので、いつでも金と交換できますよという紙。これのおかげで金を持ち歩かなくてすみます。



金1gと交換できる紙をもって、出かけましょう。何か小物でも買いましょうかね。そこで、金1gと交換できる紙をお店に渡します。そうすると、金と交換できる権利はお店にうつりますね。それが出来るのは、いつでも金と交換できるという環境が整っているからです。




この環境というのは、お金持ちの人が『両替商』として、その人からお金を預かり、預かり証を代わりに渡します。お金なんて重いものを持たなくても買い物が出来るので、遠くに行くのも楽になります。この銀行のような役目をしてくれる人がいたから実現したんですね。



まあ悪い奴がいるもんで、金を持ってなくても紙を発行してあげちゃえばいいじゃんという輩が出てくるわけです。ある程度流通したところで、誰かがそれに気づいてしまいます。誰かにばれるのが世の常です。



そして、あそこはやばい!とみんな回収し始めると、みんなに返せるほどの金量が両替商の手元になく、破たんします。そして、その不信が波及して金融不安へとむかいます。不安っていうのは怖いですね。オイルショック時にはペーパーの高騰や、豊川信用金庫事件も同じようなもんでしょう。



今日では、紙幣を発行できるのは日本銀行だけですよね。その背景には上述のものがありました。





  • 金本位制
金本位制は多少説明しました。金を通貨として流通させることですね。wikiによると、上で説明したのは金地金本位制というものらしいですね。初めて聞きました。

金は希少ですよね。当然量が多くないです。となれば貨幣として出回るには限界があります。どんなに量を減らしてもです。そこで、金の量を関係なく紙幣を発行していくことで、この金本位制が崩壊します。



第2次世界大戦中ブレトンウッズ会議が開かれ、ブレトンウッズ体制という通貨体制が出来上がります。当時アメリカは戦場になっておらず、かつ金の保有量が一番多かったんですね。戦争中は武器等を買いますよね。その購入先がアメリカで、金を払っていたわけです。当然アメリカに金が集まっていきます。まさに経済の中心ですね。こうして経済的にアメリカは強くなり、ドルを基準にした通貨体制が出来上がっていきます。



そして、さまざまな国もこの体制に加わることで、ドル・金本位制が出来上がります。当時の日本円は1ドル=360円です。これによって、ドルに対していくらかという価値を決めていったので、相場が固定されていきました。固定相場制になるわけです。



で、第2次世界大戦後は、復旧が待っていますよね。ヨーロッパにドルをばらまき、マーシャルプランを推し進めていくわけです。そこで、金融不安が訪れるわけです。さっき説明したのとおんなじパターンです。



「こんなにドル紙幣ふえて、金と交換できんのか?」
「いや、できないかもしれないぞ」
「なに、じゃあさっさと交換して来い!」



こんな感じで、ヨーロッパは金とドルを交換しろと、要求をし、もちろんアメリカはお手上げ状態に追い込まれます。そして、1971年当時の大統領ニクソンが声明を出し、ドルと金の交換を止めてしまいます。いわゆるニクソンショック。


Richard Nixon.jpg
リチャード・ニクソン[wikiより]




そして、固定相場だったものが、不安定になり維持できなくなり、『変動相場制』へとかわっていきます。現代のように、経済力によって価値が変動していくんですね。


そして、お分かりのとおり、いつでも金と交換できないじゃないかということで、現代では金本位制ではなくなっています。


 以上おわりです。





次は
  • 人格化された資本, 奴隷としての資本家
See you soon, bye :)

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